艦船ニュース
シンガポールを拠点とする洋上停泊型客船ワールド・レガシーWorld Legacyで火災が発生した。報道によれば火災は2月20日午前4時頃ラウンジで発生し,消防隊が消火・救助活動にあたったが乗組員1人が死亡,少なくとも乗客4人が負傷した。当日の乗客数は271人,乗組員は388人と伝えられている。同船は1982年に独オラウ・ラインのカーフェリー,オラウ・ブリタニアOlau Britanniaとして竣工し,複数船社を経て2015年から伊モビー・ラインのモビー・ザザMoby Zaza(22,161総トン,船客1,350人)として稼働。昨年3月に売却後,改装されて去る12月からワールド・レガシーとして就航したばかりだった。船主はシンガポール拠点のドラゴン1とされ,傘下のワールド・クルーズが運航している。洋上に停泊し,船内で飲食やショーを楽しむスタイルで,シンガポール,マレーシアからのフェリーで行き来する。画像は消防船などが接舷した事故時の同船。
伊フィンカンティエーリ造船所は2月25日,アンコナ工場で建造していた米フォー・シーズンズ・ヨット向けのフォー・シーズンズⅠFour Seasons I を,共同船主兼運航船社の米マーク・ヘンリー・クルーズ・ホールディングス(MHCH)に引き渡した。カナダに本拠を置くフォーシーズンズ・ホテルズ&リゾーツとMHCHが立ち上げたウルトラ・ラグジュアリー・クルーズ・ブランドの1番船で,35,070総トン,全長207.0メートル,幅27.7メートル,客室は95室で全室がレジデンス・スタイルのスイート仕様となっている。3月20日にマラガ発の地中海クルーズでデビューし,秋にはカリブ海へ配船される。続いて2番船のフォー・シーズンズⅡが建造中で,2027年末に竣工を予定している。
小型探検クルーズ船エクスプロリス・ワンExploris One(6,130総トン,船客132人,1989年竣工。元シルバー・エクスプローラーSilver Explorer)が,2027年5月からニュージーランドのヘリテージ・エクスペディションのヘリテージ・ディスカヴァラーHeritage Discovererとして再就航する。仏エクスプロリス・エクスペディションズ&クルーズが昨年9月まで運航したが,同社の精算手続きの一環で1月30日に競売にかけられ,450万ユーロで落札されたと報じられた。落札したのは独ノルディック・ハンブルク・グループで,ヘリテージ・エクスペディションおよびポーラー・ラティチュード・エクスペディションと業務関係がある。南極圏クルーズの一部はポーラー・ラティチュードが運航するとされる。
郵船クルーズの飛鳥Ⅱ(50,444総トン,船客872人)が2月26日,就航20年を迎えた。本船はクリスタル・クルーズのクリスタル・ハーモニーCrystal Harmonyとして三菱重工長崎造船所で建造され,1990年に竣工。その後引退した初代飛鳥(現アマデアAmadea)の代船として2006年に郵船クルーズへ移り,日本向けの改装を経て同年2月26日,横浜港大桟橋で命名式・就航記念セレモニーを行なってデビューした。去る1月15日~2月19日に実施された「就航20周年記念〜2026年アジアグランドクルーズ」では,記念のアニバーサリー・ディナーの提供などが行なわれた。
2021年に「タイタニック」を発売したブロック玩具大手レゴ®は,このほど新たにマースクのメタノール二元燃料コンテナ船エーネ・マースクを,タイタニックと同じ200分の1スケールの組立てブロックで再現した(3月1日発売)。ブリッジ部が開いて乗員室が見えるほか,エンジンルームには透明パーツの窓でディテールをチェック,スライド式舷梯,組立て式コンテナ,情報プレートなどのアクセサリーも充実している。1,513ピースで,サイズ(約)は長さ60センチ,高さ18センチ,幅12センチ(スタンド込み)。税込定価22,980円。マースクと同じデンマークに本拠を置くレゴグループでは,2014年に「マースクライン トリプルE」も発売している。
アメリカとイスラエルは2月28日,イランへの攻撃を開始したと発表。イランは報復ミサイル攻撃などを行ない,中東各国に被害が出たほか,イラン革命防衛隊(IRGC)が全船舶にホルムズ海峡通航禁止を通告,5日にはアメリカやイスラエル,欧州など西側同盟国の船舶に対し封鎖を宣言した。事態を受けて日本船主協会(JSA)は3月1日,長澤仁志会長(日本郵船会長)を本部長とする「海上安全等対策本部」を設置。日本郵船はじめ邦船大手は,ペルシャ湾水域に配船している資源輸送船(原油タンカー,LNG船など),自動車船などのホルムズ海峡通航を見合わせ,湾内残留船を安全な場所に避難させた。JSAによると日本関係船はペルシャ湾内に45隻,オマーン湾で4隻が身動き不能状態となっている(4日時点)。欧米などのコンテナ船社は中近東向けコンテナの受付けを停止し,同海峡の通航を停止。海峡周辺の滞留コンテナ船は約100隻に上っている。3月4日までにペルシャ湾内や同海峡周辺などで,米国船籍のタンカー,ステナ・インぺラティブStena Imperative(49,777重量トン。写真)など少なくとも商船6隻の攻撃と船員の死傷者が報告
アメリカとイスラエルは2月28日から,イランに対する大規模な航空攻撃を 開始した。米軍の作戦名は“Operation Epic Fury”。 この作戦でのイラン艦艇に対する攻撃で,米中央軍(USCENTCOM)は「作戦 前にイランが保有していた11隻の艦艇すべてを撃沈または破壊した」としてい る。具体的には,コンテナ船を改造した無人機母艦シャヒド・バゲリShahid Bagheriを3月2日に破壊。さらに,バンダレ・アッバースではイラン版ESB (Expeditionary Mobile Base)ともいわれる前方基地艦マクランMakranも破 壊した。このほか,シャーバールではジャムランJamaran級コルベットを撃沈 した。なお,11隻という数が正しければ,潜水艦や小型戦闘艇は含まれないと 見るのが妥当だろう。(Naval News 2026/3/2)
米海軍は2026会計年度の国防予算で,FFG(X)ことコンステレーション Constellation級の先行調達費として2億4,200万ドルを要求していた。しかし 既報のように,同級は3番艦以降の建造中止が決まっている。そのため先行調 達費も行き場を失ったかたちだが,これを新たに建造が決まったFF(X)に転用 する考えであるという。 なお,FFG(X)のうち,すでに建造工程が走っている1番艦コンステレーショ ンFFG-62と,2番艦コングレスCongress FFG-63には,この措置は影響しないと している。(USNI News 2026/2/6)
2月13日にジェネラル・ダイナミクス傘下のナショナル・スチール&シップ ビルディング(NASSCO)で,ジョン・ルイスJohn Lewis級給油艦の8番艦ルー ス・ベイダー・ギンズバーグRuth Bader Ginsburg T-AO-212の起工式が行なわ れた。艦名は1993~2020年に連邦最高裁判所の判事を務めた人物にちなむ。ス ポンサーは,そのギンスバーグ判事の息女であるジェーン・ギンスバーグ氏が 務めた。(General Dynamics NASSCO 2026/2/13,US Navy 2026/2/13) また2月23日にオースタルUSAで,米海軍の新型航洋曳船ナバホNavajo級の 7番艦ソロモン・アトキンソンSolomon Atkinson T-ATS-12が進水した。この 時点で工程進捗率は75パーセント。このほかスピアヘッドSpearhead級遠征用 高速輸送艦の殿となるランシングLansing EPF-16が2月25日に進水した。
米海軍海洋システム軍団(NAVSEA)は2月18日に,新しい小型揚陸艦LSM (Medium Landing Ship Acquisition)の建造を加速するための,建造管理者 (VCM:Vessel Construction Manager)の任命に関する提案要求書(RfP)を 発出した。これは,民間セクターの手法を活用してLSMの迅速な建造を図るの が目的だとしている。具体的には,VCMは最善の戦略策定を担当するとととも に,海軍との契約窓口となったうえで造船所とサプライヤーを管理すると説明 されている。 LSMの建造を担当する造船所は2社で,まずルイジアナ州ロックポートのボ リンジャー造船所が2025年9月に,先行調達と1番艦マクランMcClung LSM-1 の設計を950万ドルで受注済み。また,ウィスコンシン州マリネットのフィン カンティエーリ・マリネット・マリーンが4隻を建造する計画。(NAVSEA 2026/2/18)
米海軍は2025年11月に,コネチカット州グロトンのニュー・ロンドン潜水艦 基地にある訓練施設で,潜水艦向け戦闘システムAN/BYG-1のデモンストレーシ ョンを実施した。AN/BYG-1は米海軍に加えて,オーストラリア海軍のコリンズ Collins級潜水艦でも導入している,米豪共同案件の製品。それを,イギリス の海軍ならびに産業界関係者を対象としてデモンストレーションした。 これは,SSN-AUKUSへのAN/BYG-1の導入を視野に入れて,同システムに関す る英側の理解を深める目的で実施したもの。そのため英側の関係者は,話を聞 いたり見学したりするだけでなく,システムの操作も体験した。 オーストラリア政府は別件で,SSN-AUKUSの建造で必要となる核動力主機の コンポーネント2隻分について,3億1,000万ドルを投じて先行調達すると発 表した。製造担当はロールス・ロイスだが,同社に対しては10年間で24億ポン ド投資して生産能力を増強するとしている。オーストラリア国内で潜水艦建造 を担当するのは南オーストラリア州オズボーンに新設する施設(Submar
2月24日に,スコットランドのロシスにあるバブコックの造船所で,英海軍 向けのインスピレーションInspiration級こと31型フリゲイトの2番艦アクテ ィブActiveの船体を建造建屋から引き出すロールアウト式典が行なわれた。ま た同日,4番艦ブルドッグBulldogの鋼材切出しもスタートした。(Babcock 2026/2/24)
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