艦船ニュース
L3ハリス・テクノロジーズのスペース&エアボーン・システムズ部門では,米海軍のMk48 Mod8長魚雷で使用する光ファイバー誘導線を開発中。これはIPLCS(Improved Post-Launch Communications System)と称するもので,現時点では設計に関する検証作業を行なうところまで作業が進んでいる。誘導線を銅線から光ファイバーに変更することで,伝送帯域は数千倍に拡大するとしている。(L3Harris Technologies 2025/9/9)
ボリンジャー造船所が米海軍海洋システム軍団(NAVSEA)から,米海兵隊向けの小型揚陸艦LSM(Medium Landing Ship)ブロック1ことマクランMcClung級について,先行調達と設計などを949万6,103ドルで受注した。(DoW Contracts 2025/9/26)
バーレーンに前方展開していた米海軍のアヴェンジャーAvenger級掃海艦のデクストラスDextrous MCM-13が9月3日,グラディエイターGladiator MCM-11が9月4日に,それぞれ退役した。続いて9月24日にセントリー Sentry MCM-3,9月25日にデヴァステイター Devastator MCM-6も退役の運びとなった。 これら4隻は退役後,外国籍の重量物運搬船をチャーターして,バーレーンのマナマからペンシルヴェニア州フィラデルフィアの保管施設に運ばれる。このため,9月にシーリフト・オブ・デラウェア(Sealift Inc. of Delaware)に760万ドルの契約が発注された。 アヴェンジャー級の後継はインディペンデンスIndependence級沿海域戦闘艦(LCS)で,その一番手は5月に現地入りしたキャンベラCanberra LCS-30,その後にサンタ・バーバラSanta Barbara LCS-32とタルサTulsa LCS-16が続いた。4隻のLCSを配備する計画だが,4隻目がどの艦になるかは分かっていない。ただし同級については,まだ対
9月27日にジェネラル・ダイナミクス傘下のバス鉄工所で,アーレイ・バークArleigh Burke級駆逐艦の76番艦ルイス H.ウィルソンJr. Louis H. Wilson Jr. DDG-126の進水・命名式が行なわれた。(US Navy 2025/9/26) 一方,ハンチントン・インガルのインガルス造船所で建造している同級78番艦のテッド・スティーブンスTed Stevens DDG-128は,建造所側の試験航海(ビルダーズ・トライアル)を完了した。フライトⅢに属し,AN/SPY-6(V)1レーダーを搭載する。(HII 2025/9/27)
郵船クルーズは10月3日,飛鳥Ⅲの初クリスマス・クルーズの船内演出“Timeless Christmas 華やぐ船内演出”を発表した。飛鳥Ⅲならではの特別クルーズが8コース実施される。日程は12月2〜5日「Xmas大阪発着高知クルーズ」から12月23〜26日「Xmas横浜発着四日市クルーズ」まで,いずれも4日間クルーズを大阪発,名古屋発,横浜発で行なう。船内は“ニコライ バーグマン フラワーズ&デザイン”による華やかなディスプレイがラグジュアリー空間を創出し,特別ディナーや「世界のクリスマススイーツビュッフェ」,限定パフォーミングアーツ「Dancing Illumination」が幻想的な夜を演出する。また飛鳥Ⅱは12月6日横浜発から12月24日神戸発まで6本を組んだ。いずれも3日間のショート・クルーズを横浜発,大阪発,神戸発,博多発で実施する。
商船三井さんふらわあが,昨年に続き「端っこスタンプラリー」を10月から開始した。第3弾はフェリーの利用と登山を組み合わせたもので,題して“さんふらわあ端ッコスタンプラリー第3弾 頂点スタンプラリー”。さんふらわあ4航路のうち2航路を利用し,北海道最高峰の旭岳と九州本土最高峰の中岳を訪れる企画で,船内および指定地点でスタンプを取得することで参加できる。コンプリート者全員に名前,到達番号入り最高峰到達証明書や限定ステッカーなどを贈呈し,抽選で乗船券も当たる。実施期間は10月1日から2026年9月30日まで。参加資格は中学生以上で,陸路の移動手段は問わない。スタンプラリーは2023年の商船三井フェリーとフェリーさんふらわあの事業統合を記念して始めたもので,第1弾は最北端と最南端の岬,第2弾では最東端と最西端の岬を巡る企画で実施した。
独TUIは9月29日,伊フィンカンティエーリ造船所とクルーズ客船2隻の建造契約を結んだ。就航は2031,32年を予定し,TUIとロイアル・カリビアン・グループの合弁会社TUIクルーズが運航する。この契約は去る3月に結ばれたTUI傘下の英マレラ・クルーズ向けの建造覚書に代わるもので,マレラ・クルーズの英マーケット拡大に向けた計画を,TUIクルーズの北欧マーケットでの事業に振り向けるという。建造船はマレラ向けより大型になり,フィンカンティエーリで建造が進むTUIクルーズの次世代型「InTUItionクラス」のマイン・シフ・リラックスMein Schiff Relaxなどの姉妹船となる見通し。約16万総トン,船客約4,000人で,LNGとMGO(マリンガスオイル)用の二元燃料機関を搭載する。
米プリンセス・クルーズの新造船スター・プリンセスStar Princessが9月26日,伊フィンカンテイエーリ造船所モンファルコーネ工場で引き渡された。昨年竣工した次世代型「スフィア・クラス」のサン・プリンセスSun Princessに続く2番船で,177,882総トン,船客4,300人,LNGを燃料とする。10月4日にバルセロナ発西地中海12日間クルーズでデビューし,同月下旬には大西洋を渡り,11月7日からフォート・ローダーデイルを拠点にカリブ海クルーズに就く。
今治造船は9月26日,丸紅の協力により日本シップヤード(NSY)経由でギリシア船主からアフラマックス・タンカーを2隻受注したと発表した。アフラ型の建造は2008年に引き渡して以来17年振りで,2027,28年の竣工を予定する。同社では2000年代に行なっていたメガブロック工法を再び採用して増産体制を構築するとしており,大型のメガブロックを住友重機械マリンエンジニアリング横須賀造船所に製造委託する模様。住友重機械グループは商船建造からの撤退を発表しており,船体ブロックを大型構造物として製造すると見られる。
マレーシア海運MISC(Malaysia International Shipping Corp.)と韓国サムスン重工(SHI)は9月24日,プロトン交換膜燃料電池(PEMFC:Proton Exchange Membrane Fuel Cell)技術を搭載した世界初のアンモニア系水素燃料電池LR2(Large Range 2)タンカーの設計で,フランス船級協会(BV)よりAiPを取得したと発表した。韓国のPEMFC大手プロバイダーのヴィンセンが開発した技術と,同じく韓国のパナシア設計のアンモニア分解システムを統合し,115,000重量トン級のタンカーを開発したもの。これまで小型船や補助用途に限られていた燃料電池は,この設計により船舶の推進や荷役,船内需要など大電力供給を可能とし,ゼロエミッションの促進やメンテナンス・コスト削減に貢献,より広範な分野への導入の可能性が広がった。実船建造に向け船主および運航者のMISCは船舶運航,実現可能性調査などを主導し,SHIが船舶設計,システム統合,BVが規制遵守の確保,リスク評価の実施などを行なう。
JAMSTEC(海洋研究開発機構)と地球深部探査船“ちきゅう”を運航管理する日本マントル・クエストは9月24日,昨年掘削で使用した総ドリルパイプ長7,906メートルが,「最も深い海洋科学掘削」としてギネス世界記録に認定されたと発表した。この掘削は昨年9~12月に国際深海科学掘削計画(IODP)の第405次研究航海「日本海溝巨大地震・津波発生過程の時空間変化の追跡」で実施されたもので,巨大地震発生後の震源断層の応力蓄積・強度回復過程解明のためのデータおよびサンプル取得,水理構造解明に向けた長期孔内温度計測システムの設置に成功。掘削は世界最長と考えられ,JAMSTECと日本マントル・クエストの技術力の証明であることからギネス世界記録に申請,9月24日認定証を授与された。
武田薬品工業は9月19日,仏トリマラン帆船開発企業ヴェラ・トランスポート社と事業提携し,同社の帆船により欧州~米国間で自社医薬品を輸送すると発表した。このトリマランは全長65.5メートル,幅24.4メートルのリサイクル可能なアルミ製で,医薬品基準に準拠した温度管理船倉を備え,積載量は600ユーロパレット(515米国パレット)。高さ54.9メートルのマスト2本を持ち,帆走のみで平均速力14ノットを発揮し,100パーセント風力により12 ~15日で大西洋を横断(港湾で最小限エンジンを使用),所要電力は太陽光パネルと水力発電装置2基で賄う。このためGHG排出を航空輸送比最大99パーセント,コンテナ船比で最大90パーセント削減可能とされ,設計上バラスト水は不要,有害燃料はなく海中騒音もないため生物多様性保護にも貢献できる。初航海は2026年後半を目指し,28年までに5隻に拡充,週1便で年間4万8,000トンの輸送を計画している。武田薬品は初の帆船による医薬品のサステナブル輸送へ新時代を開く。
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