スイスのMSCクルーズは11月12日,21万総トン級次世代船「ワールド・クラス」2隻を仏アトランティーク造船所に追加発注したと発表した。去る5月発注の2隻に続くもので,2030,31年に引き渡され,同クラスの7,8番船となる。発注額は約35億ユーロとされる。LNGを燃料とし,高度な廃水浄化システムなど環境対応の最新設備を搭載する。1番船のMSCワールド・エウローパMSC World Europa(215,863総トン,船客5,252人)は2022年12月にデビューし,2番船MSCワールド・アメリカMSC World Americaは2025年4月就航。3番船MSCワールド・アジアMSC World Asiaが去る11月14日に進水し,2026年に就航を予定している。
豪シーニック・グループのラグジュアリー・クルーズ・ブランド,エメラルド・クルーズの新造船エメラルド・カイアEmerald Kaiaの進水式が,11月10日,ベトナムのハロン造船所で行なわれた。2026年4月に地中海でのデビューを予定する。同社がスーパーヨットと称する3隻目の新造船となるが,6,600総トン,全長120メートル,船客128人規模で,1,2番船(5,315総トン,船客定員100人)より大型化し,定員を増したタイプ。同日は拡大型2番船エメラルド・ライヤEmerald Raiyaの起工式も行なわれた。就航は2027年6月を予定している。
米ノルウェージャン・クルーズ・ライン・ホールディングス(NCLH)は11月10日,傘下のリージェント・セブン・シーズ・クルーズ(RSSC)用の新造船1隻を伊フィンカンティエーリ造船所に発注したと発表した。次世代船「プレステージ・クラス」の3番船となり,2033年の引渡しを予定する。77,000総トン,全長257メートル,船客822人,客室は2階建てを含む12タイプ,全室バルコニー付きスイートのウルトラ・ラグジュアリー船となる。現在同所マルゲラ工場で建造されている1番船セブン・シーズ・プレステージSeven Seas Prestigeが2026年引渡し,2番船は2030年の竣工を予定している。
米ディズニー・クルーズ・ラインは11月10日,新造船ディズニー・デスティニーDisney Destinyの命名式を母港となるフロリダのポート・エヴァーグレイズで行なった。バンド演奏,ドローンやプロジェクションマッピングを使用した華やかな演出でデビューを祝福した。同船は独マイヤー・ヴェルフトで建造された「ウィッシュ・クラス」の3番船で,144,256総トン,船客2,512人,LNGを主燃料 と す る。11月20日処女航海に就き,バハマ諸島,西カリブ海を巡る4泊または5泊のスケジュールで運航している。
岡山の両備グループは11月10日,新造クルーズ客船の船名を「SEFU」(せふ)と発表した。同社では,「“SE”は瀬戸内を“FU”は風を表し,“SEFU”という名前には,時に穏やかに寄り添い,時に人々の歩みを進めてきた“風”への思いを込め,豊かさと変化をもたらす瀬戸内の風をまとって“SEFU”は日本各地へ新たな物語を届ける」と船名に込めた想いを説明。合わせて運航会社Rヨット(東京都港区)のブランドロゴを採用したファンネル・マークも公表した。SEFUは同グループの新規事業として2024年1月に設立したRヨットが運航を担う日本初のヨットスタイル客船となり,2027年夏の就航を予定している。建造所はポルトガルのウェスト・シー造船所で,2023年12月に契約を締結。9,000~10,000総トン,全長110~120メートル,幅約19メートル,吃水約4.7メートル,予定客室60室,船客約120人,乗組員約100人,航海速力約15ノット,航行区域は遠洋国際。
ノルウェーのフィヨルド1が運航する自律運航型バッテリー駆動カーフェリーが,トルコのテルサン造船所で進水したと11月に報じられた。4隻建造するうちの2隻で,ファナラーケンFanaraaken,スカガストールSkagastølと命名された。全長120メートルの両頭型で船客399人,車両120台を積載する。開発,設計をノルウェーのHAVデザインが手掛けた。2026年9月からノルウェー北西岸,ソグネフィヨルドのラヴィーク~オッペダルを結ぶ所要20分の航路に投入される。自律運航と高度な自動化が可能なように設計されており,自動航行,自動着岸を含む自動化機能と自律システムの実装を2027年に,自律運航を2028年に開始するとし,段階的に完全自動航行の認証取得を目指す。
病院船による医療NGOのマーシー・シップスは去る10月29日,2隻目の新造病院船アフリカ・マーシーⅡ Africa Mercy IIのスチール・カット式を中国の広船国際造船所(GSI)で開催し,建造がスタートした。現有のアフリカ・マーシー(16,572総トン,1980年竣工。元デンマーク鉄道フェリー,ドロンニング・イングリッドDronning Ingrid)の代船で,基本的には2021年に就役したグローバル・マーシーGlobal Mercyと同型とされ,フィンランドのデルタマリンがデザインしている。36,600総トン,全長174メートル,幅28.6メートルで,12デッキに手術室6室,隔離ベッド7床,急性期病床98床などを備え,最大644名のボランティアと医療専門家を収容できる。2028年3月引渡しの予定で,2029年からサービスに従事し,アフリカにおける無料外科治療と医療研修の拡大を担う。この新造プロジェクトのメインスポンサーはMSC財団である。
レジデンス船事業を展開する米クレセント・シーズは,ノルウェージャン・クルーズ・ライン・ホールディングス(NCLH)と2025年3月に結んだチャーター契約を9月30日で終了した。解約したのは傘下のリージェント・セブン・シーズ・クルーズ運航のセブン・シーズ・ナビゲーターSeven Seas Navigator(28,803総トン,船客496人,1999年竣工),オーシャニア・クルーズのオーシャニア・インシグニアOceania Insignia(30,277総トン,船客684人,1998年竣工)の2隻で,10年契約で満了時に買取りのオプションが付いていた。2025年初にレジデンス船事業に参入したクレセント・シーズは2隻を改装してスタートし,2032年に新造船を就航させる計画を発表していたが,顧客となる富裕層のニーズが予想を大きく上回り,より広くよりカスタマイズ可能なレジデンスであることが判明,既存船から新造船へ重点を移すとしている。
10月28日の「フジ」に続いて商船三井クルーズは11月6日,2026年に就航を予定する三井オーシャンサクラのデビュー・クルーズのスケジュールを発表した。デビューは9月19日で,横浜を17時に出港,鳥羽,日高に寄港して横浜へ戻る5日間の航海となる。以降は横浜,東京,名古屋,神戸,広島,博多,金沢,新潟を起点に12月までに合計29本を行ない各地で麗姿を披露する。3泊程度のショートを中心に好評の秋の絶景を満喫するクルーズや定番のクリスマスクルーズなど,多彩なコースを組んだ。年末の12月26日には9日間「ニューイヤー 南西諸島・台湾クルーズ」を実施し,洋上で新年を迎える。 またこれに合わせて船内施設について発表した。同社運航船の伝統や想いを受け継ぎ,施設名やサービスの概要を決定したという。名称はメインダイニングが“レストラン桜”,ビュッフェが“テラスレストラン八重”,スペシャルレストランが“寿司バー潮彩”,船首のバーは“バー海” に決まった。プールサイドには新たに足湯が設けられる。客室は全室海側のスイート仕様でカテゴリーは7つ,約9割にプライベート・ベランダを備える。9月19日発のクル
日米両国政府は10月28日,造船分野での協力を推進する覚書を締結,金子国土交通相と米ラトニック商務長官が署名した。今後「日米造船作業部会」を設置して,①両国建造能力の拡大,②米海事産業への投資促進,③経済安全保障上重要な公船・商船など船舶需要の明確化,④両国造船人材の育成に向けた教育・研修の強化,⑤先進的な建造技術(AIやロボットなど)や船舶の設計・機能開発などの技術革新,の5分野に取り組む。対象の船種には,経済安全保障上重要な公船・民間船舶,艦艇,LNG運搬船などが挙げられているが,日本の造船業へのメリットなどは現段階では未知数。
商船三井クルーズは10月28日,三井オーシャンフジの2026年7~ 12月のクルーズを発表した。祭りや花火観賞,“にっぽん丸” で好評のテーマを受け継いだ夏クルーズや世界遺産クルーズなど多彩な27本で,2~4泊程度のショートや区間乗船,フライ&クルーズなども設定されて利用しやすくなっている。7月から8月にかけては東北地方の夏祭りを楽しむ10日間の「日本一周」,8月には阿波踊り,熊野大花火などを楽しむコース,9月には博多,神戸発着中心のコース,10月には人気の「飛んでクルーズ沖縄」を3本,12月には横浜,博多からのクリスマスクルーズを行なう。年末年始は「ニューイヤー グアム・サイパン」で,洋上で新年を迎える。
中国の招商ヴァイキング・クルーズのヴァイキング・エデンViking Yi Dun(招商伊敦。47,842総トン,船客930人,2017年竣工)が2026年に地中海で就航する。8〜12月にジェノヴァ,ヴェネチア,バルセロナ,アテネなどに寄港する8〜13日のコースで運航し,食事や船内サービスは中国人向けになる。同船は2017年にヴァイキング・サンViking Sunとして竣工し,2021年にヴァイキングと中国招商局グループ合弁の招商維京游輪(China Merchants Viking Cruises)に移籍,中国マーケットに投入された。2024年9月から国際マーケット向けの販売が始まり,24~26年は日本向けにも運航している。伊フィンカンテイエーリ造船所で建造され地中海でデビューしており,里帰りクルーズになる。
Showing 12 of 193 total posts